【ロンドン 2月11日】
英国放送協会(BBC)は本日、チェコの劇作家 カレル・チャペック の戯曲 R.U.R. を原作としたテレビドラマを放送した。機械によって作られた人間が社会に労働力として導入されるという大胆な着想を映像化したもので、これまでに例のない科学的空想を主題とするテレビ作品として注目を集めている。
『R.U.R.』は、人工的に生み出された労働者が人類に奉仕する世界を描き、やがて彼らが意思を持ち反乱に至る過程を通じて、人間性とは何かを問いかける作品である。舞台劇としてはすでに各国で上演されてきたが、今回、テレビという新しい媒体で放送されたことにより、その思想がより広い層に届けられることとなった。
放送では、限られた映像技術の中で工場や研究施設の様子が工夫して表現され、無機質な存在として描かれる「ロボット」たちの姿が、視聴者に強い印象を与えた。登場人物の対話を中心に物語は進み、文明の進歩と倫理の問題が静かに、しかし鋭く浮かび上がる構成となっている。
放送後、英国の知識人や文化関係者の間では、「機械文明の行く末を考えさせる試みだ」と評価する声が上がる一方、「あまりに観念的で難解だ」との意見も聞かれた。とはいえ、テレビが単なる娯楽を超え、思想や未来像を提示しうる媒体であることを示した点で、本日の放送は一つの画期と受け止められている。
— RekisyNews 文化面 【1938年】