電話公社から“国民株”へ ーー NTT株、歴史的上場

【東京 2月9日】

2年前に民営化された日本電信電話株式会社(NTT)の株式が9日、東京証券取引所で公開され、日本の証券市場に大きな転機をもたらした。旧日本電信電話公社から引き継がれた巨大企業の上場は、戦後日本でも例を見ない規模となり、株式投資が一部の専門家や大企業だけのものではない時代の到来を強く印象づけた。

この日の公開価格は1株119万7千円。高額にもかかわらず、個人投資家を中心に申し込みが殺到し、取引所や証券会社の窓口には長い列ができた。電話や通信という生活に密着した事業への信頼感が、投資熱を一気に高めた形だ。

上場後も人気は衰えず、株価は上昇を続け、約2か月後には史上最高値となる318万円を記録する見通しとなっている。市場では「NTT神話」とも呼ばれ、民営化政策の成功例として政府・財界からも注目を集めている。

一方で、急激な株価上昇に対し、過熱を懸念する声も出始めている。通信自由化や競争の行方が不透明な中、国民的企業の株価がどこまで実体を反映しているのか、冷静な見極めを求める意見も少なくない。

巨大国営企業の民営化と株式公開は、日本経済の新たな局面を象徴する出来事となった。NTT株の行方は、今後の市場の成熟度を測る試金石となりそうだ。

— RekisyNews 経済面 【1987年】

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