人工元素コペルニシウムの生成確認 ドイツの研究施設で成功

【ダルムシュタット 2月9日】

ドイツ・ヘッセン州ダルムシュタットの重イオン研究施設において、本日、人工的に合成された超重元素「コペルニシウム」の生成が初めて確認された。研究チームは、加速器を用いて原子核同士を衝突させる実験の中で、これまで自然界には存在しないとされてきた新たな原子核の痕跡を捉えたとしている。

発表によれば、鉛原子核に別の原子核を高速で衝突させる実験過程で、原子番号112に相当する原子核がごく短時間ながら生成された。生成された原子核は瞬時に崩壊するため直接観測はできないが、崩壊の連鎖や放出される粒子の特性を精密に分析することで、その存在が裏付けられた。研究関係者は「複数回の実験結果が一致しており、偶然の産物ではない」と説明している。

この成果は、原子核物理学における長年の課題であった超重元素の安定性と構造の解明に大きな手がかりを与えるものと受け止められている。周期表の末端に位置する元素の研究は、原子核がどこまで存在しうるのかという根本的な問いに直結しており、理論と実験の両面から注目を集めてきた。

今回確認された元素については、今後さらなる追試と国際的な検証を経て、正式な名称や性質が議論される見通しだ。研究チームは「人類が作り出した最も重い原子核の一つとして、基礎科学の新たな地平を開く成果」と意義を強調している。

— RekisyNews 科学面 【1996年】

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