伊能忠敬、実測による略地図を幕府に上呈

【江戸 2月9日】

本日、下総国佐原の商人であり測量家伊能忠敬が、蝦夷地南東海岸および奥州街道を実地に測量して作成した略地図を、江戸幕府に上呈した。提出された地図は、道程や海岸線を実測に基づいて描いたもので、従来の伝聞や推定に頼った図とは一線を画す内容となっている。

伊能は昨年より北方へ赴き、徒歩による距離測定や方位観測を重ねながら、海岸線や街道の形状を丹念に記録してきたという。今回の略地図には、蝦夷地南東部の海岸の屈曲や、奥州街道沿いの主要な宿場・地形が明確に示されており、実際の距離関係を意識した描写が随所に見られる。

幕府関係者の間では、「これまでに例を見ない正確さ」との声も上がり、北方警備や街道整備、地誌編纂への活用が期待されている。特に蝦夷地については情報が乏しく、今回の図が今後の施策を考えるうえで重要な手がかりになるとみられる。

伊能忠敬は「実地を歩き、天を測ることでこそ国の姿は明らかになる」と語り、今後も測量を続ける意向を示している。今回の上呈は、その第一歩として、幕府内外から大きな関心を集めている。

— RekisyNews 科学面 【1801年】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次