【トロント 2月8日】
カナダの技術者サンドフォード・フレミングは本日、トロントで開かれた王立カナダ研究所の会合において、世界各地で統一的に用いる時間制度の導入を提案した。 各都市が太陽の位置に基づく地方時を用いる現状は、鉄道運行や通信の発達と齟齬をきたしているとして、地球規模での整理が必要だと訴えた。
提案の骨子は、地球を経線に沿って等分し、基準となる子午線を起点に標準的な時間帯を設けるというものだ。フレミングは、グリニッジ天文台の反対側に位置する経線を基準の一つとして結びつけ、各地域が同一の規則で時刻を定められると説明した。これにより、列車の時刻表や電信のやり取りが混乱なく行えるとする。
会合では、学術的な整合性に加え、実務上の利点が議論された一方、長年用いられてきた地方時を改めることへの慎重論も示された。天文観測や慣習との折り合いをどう付けるかが、今後の検討課題として残る。
もっとも、蒸気機関と電信が結ぶ近代社会において、時刻の統一は避けて通れないとの認識も共有された。本日の提案は、国境を越えて時間を共有する発想を初めて体系的に示したものとして、学界と実務の双方から注目を集めている。
— RekisyNews 科学面 【1879年】
