【下田 2月7日】
本日、伊豆国下田において、日本とロシア帝国の全権代表が会見し、両国の和親関係を定める条約が正式に締結された。近年、北方海域をめぐり緊張が高まっていた両国にとって、今回の合意は衝突回避と通商関係の安定を図る重要な一歩となる。
条約では、両国が互いを正式な交渉相手として認め、友好関係を築くことが明文化された。あわせて、北方の島々について国境線が定められ、択捉島と得撫島の間を境とすることで合意に至った。これにより、従来あいまいであった北辺の帰属問題に一定の区切りがつけられた形となる。
また、条約には港の開放に関する条項も盛り込まれ、下田・箱館の両港がロシア船に対して開かれることが定められた。これにより、燃料や食料の補給、難破船の救助などが円滑に行われる見通しであり、沿岸地域では異国船の往来が今後増えると見られている。
交渉の場となった下田では、役人や町民が遠巻きに成り行きを見守り、条約成立の報が伝わると安堵の声も聞かれた。幕府関係者の一人は「北の守りを定め、争いを避けることが肝要である」と語り、慎重ながらも前向きな姿勢を示している。
異国との条約締結は、わが国にとって新たな時代の到来を感じさせる出来事である。今回の和親が、北方の安定と通商の秩序を保つ礎となるか、今後の動向が注目される。
— RekisyNews 外交面 【1855年】