【ワシントン 2月5日】
アメリカ合衆国財務省は本日、政府として初となる紙幣の発行を開始した。今回流通が始まったのは「デマンド・ノート」と呼ばれる新たな政府紙幣で、金銀貨の不足が深刻化する中、連邦政府が直接信用を担保する形で世に送り出されたものである。
この紙幣は、提示すれば金貨または銀貨と交換できることを原則としており、財務省が即時支払いに応じる点が特徴とされる。現在進行中の南北間の戦争により、軍需支出は急増し、従来の硬貨だけでは政府の支払いを賄いきれない状況が続いていた。財務当局は、通貨不足の解消と戦費調達の円滑化を目的として、紙幣発行に踏み切ったと説明している。
発行初日となった首都では、官庁関係者や商人らが新紙幣の扱いについて慎重な姿勢を見せる一方、即座に受け取りを始める動きも見られた。ある商人は「政府の保証がある以上、受け取らぬ理由はない」と語り、実務面での利便性を評価した。
一方で、紙幣の大量発行が物価に与える影響を懸念する声も上がっている。これまで硬貨中心で成り立ってきた合衆国の通貨制度は、今回の措置によって大きな転換点を迎えたといえよう。
— RekisyNews 経済面 【1862年】
