最高速450km/h超、九試単座戦闘機が各務原にて初飛行に成功

【各務原 2月4日】

本日、岐阜県各務原陸軍飛行場にて、三菱重工業が海軍の要請により試作した「九試単座戦闘機」が初飛行を執り行った。

寒風吹きすさぶ早朝の滑走路から、銀翼を輝かせた新型機が軽やかに離陸。約数十分間に及ぶ飛行試験を終え、無事に着陸した。関係者の見守る中、同機はこれまでの国産機の常識を覆す圧倒的な速度性能と運動性能の片鱗を披露した。

本機は、海軍が提示した極めて厳しい要求性能を充足すべく、三菱の若き技師、堀越二郎氏を中心とする設計チームが心血を注いだ意欲作である。その最大の特徴は、空気抵抗を極限まで減らすために採用された「沈頭鋲」の使用や、主翼の形状に独特の曲線を持たせた「逆ガル翼」の採用にある。これにより、従来の複葉機から一線を画す洗練された流線型のシルエットを実現した。

試験飛行を見守った海軍当局者および技師らの間には、着陸直後から感嘆の声が上がった。最高速度は時速450kmを大幅に上回る可能性を示唆しており、これは現在諸外国で配備されている最新鋭戦闘機にも引けを取らない、あるいは凌駕する数値である。操縦桿を握ったテストパイロットも「操縦性は極めて良好、加速も鋭い」と高い評価を与えている。

わが国の航空技術は、長らく欧米諸国の背中を追う形であったが、今回の九試単座戦闘機の成功は、日本が独自設計によって世界水準の機体を製造し得ることを証明したといえよう。海軍は今後、さらに詳細な飛行試験と機体の改修を重ね、次期主力戦闘機としての正式採用に向けた準備を加速させる方針だ。今後の航空界の勢力図を大きく塗り替える一機として、各界から熱い期待が寄せられている。

— RekisyNews 社会面 【1935年】

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