【東京 2月1日】
本日未明、作家 深沢七郎 の小説『風流夢譚』が文芸誌 中央公論 に掲載されたことをめぐり、同誌発行元である中央公論社社長の自宅が襲撃される事件が発生した。警視庁の発表によれば、襲撃したのは大日本愛国党に関係する右翼思想を持つ少年で、住宅に侵入し、家事手伝いの女性を刃物で刺し、女性は死亡した。
事件は深夜から未明にかけて起きたとされ、近隣住民が物音と悲鳴に気づき通報。駆けつけた警察官により、少年はその場で身柄を確保された。現場には血痕が残り、静かな住宅街は一時騒然となった。捜査当局は、掲載作品の内容に対する思想的反発が動機とみて、詳しい経緯を調べている。
問題とされた『風流夢譚』は、皇室を題材にした幻想的表現を含む小説であり、発表直後から一部で強い反発の声が上がっていた。中央公論社は「表現の自由のもとで掲載を決定した」としつつも、今回の犠牲者が出た事態について深い哀悼の意を表明した。
この事件は、文学表現と政治的・思想的圧力の衝突を白日の下にさらすものとなり、出版・言論の在り方をめぐる議論が今後高まることは避けられない情勢である。
— RekisyNews 社会面 【1961年】
