海上保安庁、電信とモールス通信に幕──長年の運用を本日で終了

【東京 1月31日】

海上保安庁は本日をもって、電信およびモールス符号による通信の運用を終了した。長年にわたり海上の安全を支えてきた通信方式が、技術の進展と運用環境の変化を受け、歴史的な役割を終えることとなった。

関係者によれば、同庁では近年、無線電話やデジタル通信の導入が進み、迅速性や情報量の面で従来の電信通信を大きく上回る体制が整えられてきた。これに伴い、緊急時を含む実務の中心が新たな通信手段へ移行し、モールス符号の使用頻度は次第に減少していたという。

本日の最終運用に際しては、各通信拠点で確認作業が行われ、静かに送受信が終了した。長年モールス通信に携わってきた職員の一人は、「一音一音に意味を込めて伝えてきた。時代の流れとはいえ、感慨深い」と語った。

電信・モールス通信は、荒天時や設備が限られる状況下でも確実に情報を伝える手段として重宝され、海難救助や航行安全の現場で重要な役割を果たしてきた。その一方で、操作に熟練を要する点や情報伝達の制約が課題とされていた。

海上保安庁は今後、衛星通信などを含む高度な通信網の整備を進め、より迅速で確実な情報伝達体制の構築を図るとしている。歴史ある通信方式の終焉は、海上保安業務が新たな時代へ移行したことを象徴する出来事となった。

— RekisyNews 社会面 【1996年】

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