吉良邸に刃鳴り響く──旧赤穂藩士ら、主君の仇を討つ

【江戸 本所 1月31日】

本日未明、江戸本所松坂町にある高家・吉良義央邸において、旧赤穂藩士らが屋敷へ討ち入り、吉良義央を討ち取る事件が起きた。討ち入ったのは、かつて播磨国赤穂に仕えていた者たちで、主君・浅野内匠頭の無念を晴らすため、長らく機をうかがっていたとされる。

屋敷周辺では深夜にもかかわらず物音が相次ぎ、近隣の住民が異変に気づいたという。浪士らは表門・裏門の双方から屋敷に入り、抵抗する家人を制圧しつつ、屋内を探索。やがて主屋付近で吉良を発見し、刃をもってその命を絶ったと伝えられている。戦いは短時間で終結し、火災などの被害は出なかった。

浪士らは首級を携え、浅野家の菩提寺である泉岳寺へ向かったとされる。道中、彼らの行動を咎める者は少なく、むしろその覚悟を称する声も聞かれた。主君が切腹に処されたのち、仇とされた人物が処罰されぬまま時が過ぎていたことが、今回の挙に至った背景とみられる。

今後、幕府がこの一件をいかに裁断するかが注目される。私闘を禁じる法度との兼ね合い、また主従の義を重んじる風儀をどう評価するのか、判断は容易ではない。江戸の町は一日中、この出来事の話題で持ちきりとなった。

— RekisyNews 社会面 【1703年】

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