ベトナム和平、パリで歴史的調印。米軍撤退と戦闘終結へ

【パリ 1月27日】

フランス・パリの国際会議場にて本日、ベトナム戦争に終止符を打つ「ベトナムにおける戦争の終結と平和の回復に関する協定」の調印式が執り行われた。出席したのはアメリカ合衆国、ベトナム民主共和国(北ベトナム)、ベトナム共和国(南ベトナム)、および南ベトナム共和国臨時革命政府の四当事者代表である。1960年代より激化し、東南アジアの混迷を象徴した長きにわたる戦火は、ついに大きな転換点を迎えた。

合意された協定に基づき、全ての戦闘行為はグリニッジ標準時27日24時をもって停止される。また、米軍およびその同盟軍は今後60日以内に南ベトナムから完全に撤退し、同時に軍事捕虜の解放も進められる。米軍の介入という外的な武力行使が幕を閉じ、南ベトナムの将来は外部の干渉を受けることなく、人民自らの自決権に委ねられることとなった。

パリの会場周辺は、歴史的瞬間に立ち会おうとする群衆と厳重な警備に包まれ、調印が完了すると大きな歓声が上がった。ニクソン米大統領はワシントンで声明を発表し、これを「名誉ある和平」と表現。米国内での反戦機運が高まる中、ようやくアメリカはこの軍事介入から脱却する道筋を確保した形だ。

しかし、現地ベトナムの情勢については予断を許さない。協定では現状の占領地域を維持したままの停戦がうたわれており、南ベトナム国内には依然として北側の兵力が展開している。政治的な決着に向けた協議は今後も続けられるが、対立の火種は完全には消えておらず、真の平和がいつ訪れるのか、世界は固唾を呑んで見守っている。

— RekisyNews 社会面 【1973年】

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