街角の屋上から響く最後の演奏 ビートルズ、ロンドンで突然の公開演奏

【ロンドン 1月30日】

本日正午前、英国ロンドン中心部サヴィル・ロウにある音楽会社アップル社屋の屋上で、人気楽団ビートルズが事前の告知を一切行わない演奏を行い、通りかかった市民や周辺のオフィスを大きく驚かせた。寒空の下、屋上に設けられた簡易機材の前に四人が姿を現すと、電気楽器の音が突然街に流れ出し、通行人は足を止めて見上げる騒ぎとなった。

演奏は新曲を中心に数曲続けられ、周囲の建物の窓や屋上には人々が集まり、即席の観客席が生まれた。警察も現場に駆け付けたが、混乱は限定的で、演奏そのものは比較的落ち着いた雰囲気の中で進行した。関係者によれば、今回の試みは閉ざされた録音作業から解き放たれた音楽の姿を示す意図があったという。

街頭で演奏を耳にした会社員の一人は「突然音が降ってきたようだった。こんな昼休みは初めてだ」と興奮気味に語った。一方、寒風の中で演奏する姿は、華やかな舞台とは異なる素朴さを帯び、楽団の現在の心境を映しているかのようでもあった。

この屋上演奏は短時間で幕を閉じたが、ロンドンの街に残した余韻は大きい。音楽が日常の只中に現れた瞬間として、今日の出来事は多くの市民の記憶に刻まれることになりそうだ。

— RekisyNews 文化面 【1969年】

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