【江戸 1月30日】
本日、水戸藩が長年にわたり編纂を進めてきた歴史書『大日本史』が、江戸城において幕府へ正式に献上された。同書は、初代藩主徳川頼房以来の事業として始まり、二代藩主徳川光圀の強い主導のもとで体制が整えられ、代々の藩主に引き継がれてきたものである。
『大日本史』は、神代から後小松院の代に至るまでの帝王の事績を中心に記し、正統な皇統の継承を軸として国家の歩みを描く構成をとる。編纂には儒学者をはじめ多くの学者が関わり、史料の精査と考証を重ねる厳密な手法が採られた点が特徴とされる。
江戸城での献上の場には水戸藩関係者が列席し、完成した巻冊が恭しく差し出された。幕府側もこれを受け取り、長年に及ぶ学問的事業の成果として高く評価したと伝えられている。もっとも、同書は全体として膨大な分量に及び、今後も補訂や整理が続く見通しである。
市井の学者の間では、武家の治世下において皇統史を正面から扱った点に注目が集まっており、今後の学問や思想に与える影響は小さくないとの声も聞かれる。水戸藩の学風を象徴する書として、その行方が注目されよう。
— RekisyNews 学芸面 【1810年】
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