【江戸 1月30日】
本日未明、江戸本所松坂町にある高家・吉良上野介義央の屋敷に、旧赤穂藩士大石内蔵助以下四十七名が討ち入りを敢行した。浪士らは深夜、雪の降りしきる中で屋敷を包囲し、門を破って屋内へ突入。激しい応戦の末、吉良義央を討ち取り、主君浅野内匠頭長矩の仇を果たしたとされる。
浪士たちは事前に近隣へ火事と誤認されぬよう触れを出し、周囲の混乱を避ける配慮を見せたという。屋敷内では家臣らとの斬り合いが続いたが、浪士側に大きな乱れはなく、統制の取れた行動であったとの証言が相次いでいる。討ち取り後、一行は吉良の首級を携え、浅野家菩提寺である泉岳寺へと向かった。
この一件は、元禄十四年、江戸城中で浅野内匠頭が刃傷に及び即日切腹を命じられた一方、吉良が処罰を受けなかった裁定に端を発する。旧藩士らはその後浪人の身となり、長く雌伏の時を過ごしていたが、今般ついに決行に踏み切った。
市中では早くも評判となり、「武士の義を貫いた行い」と称賛する声がある一方、幕府法度に背いた私闘として厳罰を予想する向きもある。浪士らは現在、幕府の裁断を静かに待っているとみられ、今後の処遇が注目される。
— RekisyNews 社会面 【1703年】
