【ワシントン 1月29日】
合衆国議会上院で、南北対立の激化を背景に、上院議員ヘンリー・クレイが包括的妥協案「1850年協定」の骨子を策定した。奴隷制をめぐる深刻な政治的緊張が続く中、国家分裂を回避するための調停案として注目を集めている。
今回クレイが提示した構想は、米墨戦争後に拡大した領土を巡る対立の解消を狙うものだ。主な内容は、カリフォルニアを自由州として合衆国に加盟させる一方、南部の要求に配慮し逃亡奴隷法を強化すること、さらにニューメキシコ・ユタ両準州については住民の意思により奴隷制の可否を決定するという折衷案である。
北部では奴隷制拡大阻止を評価する声がある一方、南部では逃亡奴隷法強化を歓迎する意見も聞かれる。しかし双方ともに不満は残っており、この協定案が真に国家の安定をもたらすかについては、議会内外で激しい議論が続いている。
「偉大なる調停者」と称されるクレイにとって、今回の案は政治人生を賭した試みとも言える。協定が成立すれば、当面の危機は回避される可能性があるが、奴隷制という根本問題が解決されたわけではない。合衆国の将来は、なお不透明な状況に置かれている。
— RekisyNews 国際面 【1850年】
