ハワイ、合衆国50番目の州に 昇格宣言に島中が歓声

【ホノルル 8月21日】

本日、ハワイ準州は正式に合衆国の50番目の州として承認された。大統領による宣言がワシントンで発せられると同時に、ホノルルのダウンタウンでは汽笛とサイレンが鳴り、州昇格を祝う旗とレイを手にした人々が街頭にあふれた。州都は引き続きホノルルとされ、州政府の発足準備が直ちに進められる。

今回の昇格は、今夏に行われた住民投票で州化賛成の意思が明確に示されたことを受けたもの。島々の多様な住民は、準州時代に比べ連邦議会での発言力が高まることを歓迎し、税制やインフラ整備で本土と同等の扱いが期待されている。

州化宣言の電報が届くと、官庁前では即席の式典が開かれ、関係者が星条旗を掲げて万歳三唱。ビショップ通りやホテル街では観光客も輪に加わり、フラの演奏が夜にかけて続いた。ホノルル港には各島からの船が寄せ、祝賀ムードは郡部にも広がっている。

一方で、急速な開発に伴う物価上昇や土地利用の変化を不安視する声もある。農業関係者は「観光と産業の両立が鍵だ」と慎重な姿勢を示し、教育・医療の拡充を求める意見が相次いだ。州政府は道路や港湾、学校整備の優先順位を示すとともに、島間の交通網強化を課題に掲げる見込みだ。

新州の誕生により、合衆国旗には次の独立記念日に新たな星が加わる予定だ。太平洋の要衝として、アジアとアメリカ大陸を結ぶ玄関口に位置づけられるハワイの役割は一層重みを増す。

海風に揺れる旗とレイの香りの中、島々は新たな歴史の一歩を踏み出した。観光、農業、防衛、文化の交差点として、ハワイは「州」としての課題と希望を同時に抱え、明日へ向かう。

— RekisyNews 国際・社会面 【1959年】

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