テレビジョンによる映像伝送 世界で初めて公開実演

【ロンドン 1月27日】

映像通信の歴史に新たな一頁が刻まれた。発明家ジョン・ロジー・ベアードは本日、ロンドンにおいて、テレビジョンによる視覚電信の公開実演に初めて成功した。人の顔の動きを電気信号に変換し、離れた場所に映像として再現するこの試みは、通信技術の概念を根本から変えるものとして注目を集めている。

実演では、送信側で撮影された人物の映像が、受信側の装置により明暗の像として映し出された。解像度は粗く、動きも滑らかとは言い難いものの、「見ることのできる通信」が現実のものとなった点は画期的である。これまで電信や電話は、文字や音声の伝達に限られてきたが、映像が加わることで情報伝達の可能性は飛躍的に広がるとみられる。

ベアードは、機械式走査円盤を用いた独自方式を採用し、試行錯誤を重ねてきた。関係者によれば、今回の実演は研究段階を超え、実用化への道筋を示す成果と評価されている。報道関係者や技術者らは、将来この技術が家庭や公共の場に普及し、遠隔地の出来事を映像で共有する時代が訪れる可能性に強い関心を寄せた。

今回の成功は、無線通信や映画技術と結びつくことで、娯楽・教育・報道の在り方を一変させる契機になるとも見られている。映像を送るという発想が、科学の域を超え、社会を動かす力となる日は遠くないかもしれない。

— RekisyNews 科学面 【1926年】

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