新時代のウィーン像を描く革新作、ドレスデンで初演

【ドレスデン 1月26日】ドイツ王国ザクセンの王都ドレスデンにおいて、作曲家リヒャルト・シュトラウスの新作オペラ「ばらの騎士」が宮廷歌劇場で初演され、大きな注目を集めた。台本は詩人フーゴー・フォン・ホーフマンスタールが手がけ、18世紀ウィーンの貴族社会を舞台に、恋愛と時間の移ろいを優雅かつ諧謔的に描いている。

本作は、前作『エレクトラ』や『サロメ』で見せた過激な表現とは趣を異にし、モーツァルト的な様式美と円熟した和声を前面に押し出した点が特徴とされる。とりわけ、ワルツ風の旋律を大胆に取り入れた音楽は、歴史的には存在しない時代感覚をあえて重ねることで、観客に独特の郷愁と新鮮さを同時に与えた。

初演の客席には音楽家や批評家が多数詰めかけ、上演後には長時間にわたる喝采が続いた。従来のオペラ観を更新する軽妙さと深みを併せ持つ作品として評価され、早くも各地の歌劇場から再演の要望が寄せられているという。

この日の成功により、『ばらの騎士』は単なる話題作にとどまらず、20世紀オペラの新たな到達点を示す存在として、今後の音楽界に大きな影響を与えることが確実視されている。

— RekisyNews 文化面 【1911年】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次