【鹿児島・桜島 8月21日】
本日、長渕剛さんが桜島の溶岩原に設けた特設会場でオールナイトライブを敢行した。観客は約7万5千人。桜島の人口の13倍に相当する動員で、会場周辺は早朝から人波と歓声に包まれた。
ライブは夕刻に始まり、夜空と噴煙を背景に力強い歌声が島じゅうに響いた。代表曲を織り交ぜたセットでテンポよく進行し、観客は腕を掲げて大合唱。夜半を越えても熱気は衰えず、携帯ライトの光が波のように揺れた。
運営側は臨時桟敷と広域動線を確保し、仮設トイレや救護所、給水所を増強。県・市と連携してフェリー増便や交通規制が敷かれ、最終便後はシャトルバスが観客を分散輸送した。「島の自然に敬意を払いながら安全最優先で臨んだ」と主催者は語る。
地元では宿泊施設が満室となり、商店街には記念グッズや飲食の長い列。観光関係者は「島の名を全国に発信する機会」と歓迎しつつ、騒音・ごみ対策や自然保護への配慮を今後の課題に挙げた。
終盤、東の空が白むと会場はひときわ大きな合唱に包まれた。観客の一人は「歌に背中を押され、夜明けの風景が一生の記憶になった」と語る。
規模、熱量、そして土地の象徴性 -三拍子そろった今夜の催しは、日本のライブ史に残る出来事となった。島の静けさが戻る明日以降も、残響はしばらく消えそうにない。
— RekisyNews 文化・芸能面 【2004年】