【東京 8月20日】
本日付けの國民新聞は、紙面に等圧線入りの「天気図」を初めて掲載した。従来は文章と数値中心だった天気記事に、気圧配置を示す図を添えることで、風向や雨域の見通しを一目で把握できるようにしたもの。編集部は「読者の生活に直結する実用情報として充実を図る」としている。
図は中央気象台の観測通報を基に作成し、低気圧・高気圧の中心、前線帯の見込みを記号で表示。主要都市の気温・降水の予報欄と組み合わせ、翌日の天候傾向を解説した。紙面では「洗濯・農作・漁業・海運」など用途別の注意点も添え、読み方の案内を設けている。
商店では売出しや配送計画の立案に、農家では刈り入れ時期の判断に、港では出帆可否の判断に資するとの声が上がる。一方で「精度と更新頻度の確保」が課題とされ、編集部は配達時間に合わせた早版・遅版での更新を検討するという。
情報を図で示す試みは、紙面の“見える化”を進める第一歩だ。今日の天気図は、暮らしの判断を助ける新しい道具として定着するか——明日の朝刊からの読者の反応が注目される。
— RekisyNews 社会・報道面 【1924年】