甲武鉄道、飯田町—中野で電車運転開始 都心の足、無煙で俊足

【東京・飯田町駅 8月21日】

本日、甲武鉄道は飯田町—中野間で電車の営業運転を開始した。客車を機関車で牽く方式に代わり、車両自らが電力で走る仕組みを採用。発進・停止の俊敏さと加速の良さで、停車間隔の短い市街線に適した輸送が可能となる。初列車のホームには見物客が集まり、静かに滑り出す車体に歓声が上がった。

運転本数は従来より増発され、朝夕の混雑緩和が期待される。煙や煤を出さないため沿線の商店や住宅からは歓迎の声が多く、「窓を閉めずに済む」との声も聞かれる。車内灯の明るさや乗り心地の良さも評判だ。

会社側は車両増備と変電設備の強化を進め、将来は範囲の延長も視野に入れる。ダイヤは細かく刻まれ、定時性の向上に意欲を示す。駅では乗降導線の見直しや案内標識の整備が進み、職員は安全誘導に当たっている。

都心と近郊とを結ぶ“無煙の足”は、通勤・通学の風景を塗り替えるだろう。今日走り始めた電車が、都市の時間と距離を縮める新しい標準となるか、沿線の期待は大きい。

— RekisyNews 経済・交通面 【1904年】

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