【ミュンヘン 1月24日】
ミュンヘンにおいて24日夜、作曲家アントン・ブルックナーの交響曲第8番をめぐる歴史的な演奏会が開催された。この作品は作曲者晩年の大作であり、成立過程に複数の改訂稿が存在することから、長年にわたり演奏解釈をめぐる議論が続いてきた楽曲である。
この日の演奏会では、近年の研究成果を踏まえた校訂版が採用され、作品本来の構造や音響の重層性を明確に示す演奏が試みられた。第1楽章から終楽章に至るまで、巨大なスケールと緊張感を保った構成が聴衆に強い印象を与え、特に終楽章の壮大なクライマックスは会場を静まり返らせた。
演奏終了後、客席からは長時間にわたる拍手が送られ、同曲の評価と理解が新たな段階に入ったことを印象づけた。専門家の間では、この演奏会がブルックナー解釈の転換点となり、今後の演奏史において重要な位置を占めるとの見方が広がっている。
— RekisyNews 文化面 【1963年】
