江戸市中を焼き尽くす大火 駒込・大円寺より出火

【江戸 1月25日】

本日未明、江戸駒込の大円寺より出火した火災は、折からの強風にあおられ、市中一帯へと瞬く間に燃え広がった。火勢は武家地や寺社を次々と呑み込み、大名・旗本屋敷百四十一か所、寺社九十五か所が焼損する甚大な被害となった。町屋も多くが灰燼に帰し、江戸の町は一日中、黒煙に覆われた。

奉行所は早くから消火にあたらせたものの、木造家屋が密集する市街地では火の手を抑えることは難しく、延焼は夕刻まで続いた。市井では、避難の遅れによる混乱や家財を失った嘆きの声が相次いでいる。幕府は被災地の巡検を急がせ、今後の救済や復興策を検討する構えを見せている。

この火事は、近年続く江戸の大火の中でも規模が大きく、江戸の十大火事の一つに数えられる見通しである。また、後に井原西鶴が浮世草子『好色五人女』に取り上げたことから、世間では次第に「お七火事」の名でも語られるようになりそうだ。度重なる大火を受け、町割りや防火の在り方を見直す必要性が、改めて浮き彫りとなった。

— RekisyNews 災害面 【1683年】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次