【大西洋上 1月22日】
ポルトガルの定期客船サンタマリア号が本日、大西洋航行中に武装集団によって乗っ取られる事件が発生した。船内に乗り込んでいた反体制派の一団が突如として行動を起こし、船橋や通信設備を掌握。乗員・乗客およそ600人を事実上の人質とする異例の事態となっている。
この集団は、ポルトガルの独裁体制に反対する政治亡命者や軍人らで構成されているとみられ、指導者はかつて同国政権に対抗した人物とされる。事件発生の過程で船内では発砲もあり、乗組員の一人が死亡、数名が負傷したとの情報が伝えられている。
犯行グループは無線を通じて声明を発表し、今回の行動はポルトガルおよびスペインの独裁体制に対する国際的な抗議行動であると主張。単なる犯罪ではなく、政治的意図を伴う武装行動であることを強調している。これに対し、ポルトガル政府は強く反発し、関係各国と連携して事態収拾を図る構えを見せている。
サンタマリア号は当初、カリブ海方面へ向かう定期航路に就いていたが、現在は犯行グループの意図により進路が変更されている模様だ。アメリカや中南米諸国も情勢を注視しており、国際政治問題に発展する可能性も指摘されている。
民間旅客船の乗っ取りという前例の少ない事件は、冷戦下における政治闘争の新たな局面を象徴するものとして、世界に大きな衝撃を与えている。
— RekisyNews 国際面 【1961年】
