七里ヶ浜沖で学生ボート転覆、逗子開成の少年十二名が帰らず

【鎌倉 1月23日】

相模の海に痛ましい報が走った。逗子開成中學の生徒らが乗ったボートが七里ヶ浜沖で転覆し、乗員が相次いで消息を絶ったという。関係者によれば、少年らは休日の外出の折、舎監の許可を得ぬまま学校のボートを持ち出して海に出たとされる。

当日は海上の模様が急に悪化し、波風が増したとの証言がある。沿岸では漁民や住民が救助に奔走したが、木片や櫂が漂うばかりで、少年らの姿は見えにくかったという。やがて捜索の手が広がり、転覆ののち生徒十二名が命を落としたとの知らせが伝わると、逗子から鎌倉にかけて人々は言葉を失った。

学校は弔いの準備を進め、地域でも追悼の声が高まっている。幼い者も交じる若い命が一度に失われた衝撃は大きく、事故の経緯と再発防止を求める声が関係方面に向けられている。

— RekisyNews 社会面 【1910年】

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