【カントン(オハイオ) 8月20日】
本日、オハイオ州カントンの自動車販売店にて、アクロン・プロズ、カントン・ブルドッグズ、クリーブランド・タイガース、デイトン・トライアングルズの代表者が会合し、今秋からの新たなプロフットボール連盟の設立で合意した。無秩序な選手引き抜きや高騰する報酬で各クラブの経営が揺らぐ中、日程や規約を統一し、単一の王者を定める枠組みを整える狙いだ。
会合は地元実業家の招きで行われ、出席者は今後の加盟条件、登録制度、収益配分の原則などを協議。各クラブは互いの契約選手を尊重し、引き抜きや重複契約を禁ずる紳士協定に応じた。また、大学での競技資格を有する選手の職業試合出場を制限する方針も確認された。
運営面では、試合球やルール解釈、審判の選任基準を共通化し、観客にわかりやすい日程編成を掲げる。興行の透明性を高めるため、公式記録員の配置や入場者数の公表も検討事項に挙がった。これにより成績の比較可能性が増し、各地での関心を持続させたい考えだ。
加盟拡大に向け、中西部や大湖岸の有力クラブに招請状が送られており、シカゴ近郊やイリノイ、ミシガンのチームとも交渉が進む見込み。参加数がまとまり次第、数週間内に再度の総会を開き、連盟の名称と細則を正式決定する段取りという。
出席者の一人は「観衆は強豪同士の公平な対戦を望んでいる。統一された規約が信頼を生み、興行の価値を高める」と語った。連盟の発足が実現すれば、今季の開幕戦から統一基準の下で試合が行われ、地域を越える競争の枠組みが初めて整うことになる。
草創の地・カントンから始まった連盟づくりは、職業フットボールの新時代を告げる第一歩だ。残る手続きが円滑に進むか、各地のファンと関係者の注目が集まっている。
— RekisyNews スポーツ面 【1920年】