愛知県、乗合自動車の取締規則を公布 運転認可と安全基準を明文化

 【名古屋 8月20日】

本日、愛知県は県内で営業する乗合自動車を対象に「乗合自動車営業取締規則」を公布した。急増する自動車運行を秩序立て、旅客の安全を確保することが狙いである。

規則の骨子は、事業者の営業許可制と運転手の認可制の導入だ。運転手は技能と道路規則の審査を受け、認可証を携行することが義務づけられる。車体には標識を掲げ、所属と番号を明示する。

安全面では、定員超過の禁止、速度の抑制、車両点検の励行、夜間の灯火や警鐘の装備などを規定。車掌の配置や乗降時の誘導、積荷の固定にも注意が求められる。

運行管理では、路線・停留所・時刻表・運賃の届出と掲示を義務化。違反には罰金や営業停止などの処分が科される見通しだ。県庁は「歩行者と牛馬が行き交う道路での事故防止が第一」と強調した。

背景には、名古屋市街と周辺部を結ぶ需要の拡大がある。馬車・人力車に加え自動車の走行が増え、騒音や埃、急停車に関する苦情も寄せられていた。規則整備により苦情の減少と運行の定時化が期待される。

事業者側は「基準が明確になれば新車導入や整備庫拡充の判断がしやすい」と歓迎の声。一方で、認可取得や装備更新の費用負担を懸念する向きもある。規則は近日中に施行され、既存事業者には移行猶予が設けられる見込みだ。

— RekisyNews 経済・交通面 【1903年】

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