参院副議長、異例の拝謁拒否 松本治一郎氏「形式より民主の精神」主張

事件の舞台となった参議院本会議場

【東京 1月21日】

本日、参議院副議長を務める 松本治一郎 氏が、天皇への拝謁に際して慣例とされてきた「カニの横ばい」と呼ばれる作法を拒否し、政界および社会に大きな波紋を広げている。この出来事は、のちに「カニの横ばい拒否事件」として語られることとなる。

問題となったのは、天皇の前を横歩きで後退しながら退出する旧来の拝謁作法である。松本氏はこれを「封建的身分秩序を想起させる非民主的慣行」と捉え、戦後日本が掲げる民主主義の理念と相容れないとして、拝謁そのものを拒否した。松本氏は周囲に対し、「新憲法の下では、天皇は象徴であり、国民はすべて法の下に平等である」との考えを示したとされる。

この行動に対し、政府内部や一部の保守層からは「儀礼軽視」「不敬に当たる」との批判が相次いだ。一方で、戦後改革の精神を体現する行動として評価する声も多く、特に労働運動や民主化を支持する層からは支持が表明された。戦前から続く慣行を、戦後の立憲秩序の中でどう位置づけるかという問題が、改めて浮き彫りとなった形である。

今回の事件は、天皇の地位が「主権者」から「象徴」へと転換した後も、社会の慣習や意識がなお過渡期にあることを示している。拝謁の形式をめぐる一個人の判断が、戦後日本の民主主義のあり方を問い直す契機となった点で、今後も長く論じられる出来事となりそうだ。

— RekisyNews 政治面 【1948年】

アイキャッチ画像 Chris 73 / Wikimedia Commons, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=30260による

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