孫文ら、東京で「中国同盟会」を結成 君主制打破と民国樹立を掲げる

 【東京 8月20日】

本日、市内で中国の亡命者・留学生らが集い、新団体「中国同盟会」の結成が宣言された。中心となったのは孫文氏で、黄興、宋教仁らがこれに呼応。会場では綱領として「驅除韃虜・恢復中華・創立民国・平均地権」の四項が掲げられ、参加者は拍手でこれを承認した。

同盟会は国内外に同志を糾合し、宣伝・組織・資金の三方面で活動を進めると表明。新聞・小冊子の刊行、各地支部の設置、商工業者からの献金募集など具体策が示された。孫氏は「民の権利を確立し、国を再建する」と演説し、会場は熱気に包まれた。

結成には日本に滞在する有志も後方支援の意向を示しており、東亜の政局を注視する知識人の間でも強い関心を呼んでいる。一方で、在東京の清国公使館は動向を注視し、各方面に警戒を促している模様だ。治安当局も集会の推移を静かに見守った。

参加者の多くは各省出身の若者で、海外に拠点を置くことで追及を避けつつ同志網を広げる方針という。沿岸都市や東南アジアの華商社会とも連絡を取り、通信と人流を通じて宣伝面の効果を高める考えだ。

会の内部では、当面は宣伝と結社の拡充を重んじ、武装行動は機の熟すを待って判断するとの見方が有力。ある若手は「国を変える力は民にある」と語り、民権の拡大を強調した。東京発の新たな結社が、遠く大陸の政局にいかなる影響を及ぼすか、各方面の注目が集まっている。

— RekisyNews 国際・政治面 【1905年】

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