【東京 1月20日】
大和運輸は本日、個人向け小口荷物配送サービス「宅急便」を開始した。企業間輸送が主流であった国内物流の分野において、一般家庭を主な利用者として想定した定額・迅速配送の仕組みが本格的に導入されるのは初の試みであり、流通業界に大きな変化をもたらすものとして注目されている。
「宅急便」は、一定サイズ・重量内であれば全国一律に近い料金体系で荷物を預かり、家庭から家庭、または家庭から商店へ直接届けることを特徴とする。これまで個人が荷物を送る際は、国鉄の小荷物輸送や郵便小包に頼るケースが多く、手続きや受け取りの煩雑さが課題とされてきた。大和運輸は、集荷から配達までを一貫して担うことで、こうした不便を解消するとしている。
同社関係者は、「生活様式の変化とともに、贈答品や日用品の小口輸送需要は今後さらに高まる」と述べ、宅配を生活インフラの一部として定着させたい考えを示した。サービス開始当初は対応地域や取扱量に限りがあるものの、段階的な拡充が計画されている。
個人の暮らしに直結した物流サービスの誕生は、企業中心だった輸送の概念を転換し、日本の流通構造そのものを変える可能性を秘めている。「宅急便」の船出は、物流がより身近な存在となる時代の幕開けを告げる出来事となった。
— RekisyNews 経済・産業面 【1976年】
