【サンクトペテルブルク 1月15日】
ロシア帝国の帝室劇場(マリインスキー劇場)において本日、作曲家ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーによる新作バレエ『眠れる森の美女』が初演された。豪華な舞台装置と精緻な音楽が融合した本作は、上演前から音楽界・舞踊界の注目を集めており、初日の客席も満員となった。
物語はフランスの童話作家ペローの作品を原作とし、呪いによって永い眠りについた王女と、その目覚めを描く幻想的な筋立てで構成されている。振付は帝室バレエの重鎮マリウス・プティパが担当し、宮廷文化を思わせる優雅な舞踏と厳格な構成美が舞台全体を貫いていた。
音楽は序曲から終幕まで一貫して華麗かつ重厚であり、チャイコフスキーは舞踏音楽の枠を超えた交響的表現を試みたと評されている。特にワルツやアダージョの旋律は聴衆の強い印象に残り、終演後には長い拍手が劇場内に響いた。
一方で、その規模の大きさや音楽の複雑さから、従来のバレエ作品とは趣を異にするとする声もあり、今後の評価の行方が注目される。しかし、本日の上演は、帝室劇場の威信を示す壮麗な舞台として、ロシア・バレエ史に新たな一頁を刻んだ初演となった。
— RekisyNews 文化面 【1890年】
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