【高田 1月12日】
本日、新潟県高田の陸軍歩兵連隊において、オーストリア=ハンガリー帝国陸軍のレルヒ少佐が、同連隊の青年将校らに対し、雪上移動技術であるスキーの実地指導を行った。これは、日本国内で初めて行われた本格的なスキー指導とされ、雪国における軍事訓練の在り方に新たな可能性を示す出来事となった。
レルヒ少佐は、山岳地帯での軍事行動に豊富な経験を持ち、近年、欧州各国軍隊で採用が進むスキー技術を紹介する目的で来日していた。豪雪地帯として知られる高田は、冬季訓練において行動制約が大きく、これまでは徒歩による雪中行軍が中心であった。
指導では、スキー板の装着方法から基本的な滑走、方向転換、雪上での姿勢保持などが実演され、将校らは慣れぬ器具に戸惑いながらも熱心に訓練に臨んだという。雪原を軽快に移動する様子は、従来の行軍と比べて格段に効率的であり、参加者からは驚きの声も上がった。
この新技術は、軍事用途にとどまらず、雪国に暮らす人々の移動手段や冬季活動全般に応用できる可能性を秘めている。今後、各地の部隊や民間への普及が進めば、日本の冬の風景そのものを変える契機となるかもしれない。
— RekisyNews 科学面 【1911年】
