坂本九さん、新曲「上を向いて歩こう」テレビ初披露

 【東京 8月19日】

本日放送のNHKバラエティ番組『夢であいましょう』にて、歌手の坂本九さんが新曲「上を向いて歩こう」を初めて披露した。明るく伸びやかな歌声と、哀愁を帯びた旋律が視聴者の心をとらえ、放送直後から大きな反響を呼んでいる。

楽曲は中村八大氏の作曲、永六輔氏の作詞によるもので、「涙がこぼれぬように上を向いて歩く」という率直な言葉が人々の胸を打つ。軽快なリズムにのせて歌われるメロディーは耳に残りやすく、坂本さんの素朴で親しみある歌唱が相まって、早くも“口ずさみたくなる歌”として評判になりつつある。

番組内で曲が紹介されると、スタジオ観客からは自然と手拍子が起こり、演奏が終わると盛大な拍手が湧き上がった。視聴者からも「心が励まされる」「忘れられない一曲になりそうだ」といった声が寄せられ、レコード発売前にもかかわらず注目度が急上昇している。

『夢であいましょう』は、若者を中心に人気を集める音楽・バラエティ番組で、これまでも数多くの新曲がここから世に広まってきた。今回の「上を向いて歩こう」もその一例として、全国に広がる兆しを見せている。

関係者は「この曲は世代を超えて愛される可能性を秘めている」と語り、今後のレコード販売や歌番組での展開に大きな期待を寄せている。戦後の復興期を歩む人々にとって、前を向く姿勢を歌い上げるこの曲は時代の気分に合致していると評価されている。

今夜誕生した一曲が、やがて日本の歌謡界にどのような足跡を残すのか。その行方に注目が集まっている。

— RekisyNews 文化・芸能面 【1961年】

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