元襲来 鷹島沖で激戦 異国船団、平戸から太宰府へ進路

 【鷹島沖 8月19日】

本日、平戸島方面から東進した異国の大船団が鷹島沖に達し、太宰府をうかがう動きを見せたため、沿岸の武士団と水軍がこれを迎え撃った。海上には大小の船がひしめき、鉦鼓と角笛が鳴り響く中、接舷しての白兵・放火が各所で繰り返された。

異国船は高く組まれた楼船を連ね、弓矢と投石を雨のごとく浴びせて前進。これに対し、鎮西の武士らは小早で横腹を衝き、鉤縄で絡め取って乗り込む戦法を徹底した。油を注いだ松明が甲板に投げ込まれ、黒煙が立ちのぼるたび歓声と悲鳴が交錯した。

日中の潮替わりを境に戦況は膠着したが、夕刻、沿岸の一隊が背面から強襲し、敵の一角を崩すことに成功。敵船数十が座礁・炎上したとの報が入る一方、こちらも損害は少なくなく、負傷者の搬送が浜辺で続いている。目撃した漁夫は「海が燃え、空まで赤く染まった」と語った。

浜では社寺に祈祷が相次ぎ、博多筋でも城柵の補修と兵糧の積み増しが急がれる。指揮筋は「今宵は潮流と風向を見て再度の出撃を図る」として警戒を解かない。沖合には依然多数の異国船が停泊しており、明日以降も攻防が続く見込みだ。

季節柄、天候の変わり目が近いとの見立てもあり、荒れ風が吹けば海戦の行方は一変しかねない。太宰府への道を巡る攻防は山場を迎えつつある。

— RekisyNews 国防・戦況面 【1281年】

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