年越しの鐘、電波に乗る 寛永寺の除夜の鐘が初の中継放送

【東京・上野 12月31日】

大みそかの夜、上野の寛永寺で打ち鳴らされる除夜の鐘が、本日初めて中継放送された。境内に集う参詣者の吐く白い息とともに響く鐘音が、電波を通じて各地の聴取者に届けられ、年越しの風物詩が新たな形で共有される瞬間となった。

放送では、深夜に向けて規則正しく撞かれる鐘の音が克明に伝えられ、静寂の中に広がる余韻が家庭の受信機にも流れ込んだ。現地では例年通り参詣の列が続き、僧侶の所作に見入る人々の姿が見られた。一方、受信先からは「遠くにいながら年越しの気配を感じられる」との声が寄せられている。

関係者は、宗教行事の雰囲気を損なわぬよう配慮を重ねたとし、音のみで情景を伝える放送の工夫が功を奏したと語る。近年進む放送技術の発展が、伝統行事の楽しみ方を広げつつあることを印象づけた。

新年を迎える直前、鐘の一打ごとに煩悩を払うとされる響きが広く共有された。年越しの作法が電波を介して結ばれた意義は大きく、今後の中継の在り方にも関心が集まっている。

— RekisyNews 文化面 【1927年】

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