本郷に新たなパン屋「中村屋」 相馬愛蔵・黒光夫妻が創業

【東京・本郷 12月30日】

本日、相馬愛蔵・黒光夫妻は本郷の地にパン屋「中村屋」を創業し、店を開いた。店先には焼き上がったパンの香りが漂い、近隣の学生や住民が足を止めて品を眺める姿が見られた。夫妻は上京後の生計を立てるため自ら商いを選び、清潔な店構えと確かな味で客の信を得たいとしている。

売り場には小ぶりのパンが並び、手軽に口にできる品として関心を集めた。来店した若者は「腹持ちがよさそうだ」と語り、婦人らは「新しい食べ物だが試してみたい」と声を交わした。夫妻は、日々の暮らしに寄り添う食を整え、商いを堅実に育てる考えを示している。

洋風の食が少しずつ市中へ広がる中、パンの商いが根づくかはなお未知数だ。ただ、争いごとが多い世の気配の中で、温かな焼きたてを求める人の列は絶えず、本郷の一角から新しい食の習わしが芽吹くとの見方もある。今後の店の歩みが注目される。

— RekisyNews 社会面 【1901年】

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