【東京 12月30日】
政府は本日、私闘として行われる決闘を処罰の対象とする法令「決闘罪ニ関スル件」を公布した。これにより、名誉や面目を理由に当事者同士が刃傷沙汰に及ぶ行為は、理由のいかんを問わず犯罪として取り締まられることとなる。近代国家としての法秩序を明確に示す措置として、官界・市中に受け止めが広がった。
新法は、決闘の実行者のみならず、挑戦や応諾、仲裁・立会いといった関与行為も処罰の範囲に含める点が特徴である。政府関係者は、私的な報復や名誉争いを法の外に置かないとの原則を徹底し、治安の安定と生命の保護を図る狙いを強調した。西洋諸国で進む近代法制に倣い、慣行として残ってきた私闘を断つ姿勢を明確にした形だ。
一方、市中では、武士的慣習の名残として決闘を是とする見方もなお存在し、名誉の回復をどこに求めるのかとの議論が起きている。ただ、司法当局は今後、紛争は裁判によって解決されるべきだとし、啓発と厳正な運用を進める方針を示した。
今回の公布は、法の下の平等と公共秩序を重んじる近代化の流れを象徴する。暴力に代えて法で争いを裁く社会への転換が、実効を伴って定着するかが注目される。
— RekisyNews 社会面 【1889年】
