カンタベリー大司教、聖堂内で凶刃に倒れる

トマス・ベケット

【カンタベリー 12月29日】

本日、王国教会の最高位にあるトマス・ベケット大司教が、当地の大聖堂内において武装した騎士らに襲われ、命を落とした。事件は夕刻、晩祷を前にした厳粛な時刻に起き、聖堂は突如として悲鳴と混乱に包まれた。

目撃者の話によれば、数名の騎士が大司教の居所を求めて聖堂に侵入し、退去を促す声が飛び交う中、激しい口論となった。大司教は聖堂内での流血を拒み、司祭の威厳をもって対峙したとされるが、やがて剣が抜かれ、祭壇近くで致命の一撃を受けた。聖職者らが制止を試みるも及ばず、騎士らは混乱の中でその場を去った。

大司教はかつて王の重臣として仕え、のちに教会の職に就いた人物である。近年、教会の裁判権や聖職者の扱いをめぐり王権と対立が続いていたことから、今回の凶行はその緊張の帰結と受け止める向きが強い。王に仕える者の関与が取り沙汰され、都では動揺が広がっている。

市中では弔意が相次ぎ、聖堂周辺には祈りを捧げる人々が集まり始めた。王国の秩序と信仰の均衡が問われる中、国王ヘンリー2世の対応と、今後の政と教会の行方に注目が集まっている。

— RekisyNews 宗教面 【1170年】

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