板門店で米兵2人死亡 北側兵士が攻撃、緊張高まる

 【板門店 8月18日】

本日午前、板門店の共同警備区域において、アメリカ兵が朝鮮人民軍兵士らに襲撃され、2人が死亡、複数が負傷する事件が発生した。非武装地帯での衝突としては異例の惨事であり、朝鮮半島の緊張は一気に高まっている。

在韓米軍の発表によれば、現場の兵士らは警備区域内に伸びたポプラの木の伐採作業に従事していたという。作業は視界確保のための通常業務であり、事前に通告も行われていた。ところが作業中、北側の兵士らが数十名規模で接近し、突如として作業班に襲いかかった。斧や棒を用いた乱闘となり、アメリカ将校2名が死亡した。

現場は南北双方の監視所が向かい合う緊迫した区域であり、発砲は確認されなかったものの、暴力の規模は大きく、周囲は騒然となった。目撃した国連軍関係者は「あまりに突然の攻撃で防ぐ術がなかった」と証言している。

韓国政府は直ちに米側と協議を開始し、事件を「挑発」として強く非難した。ソウル市内では衝撃が広がり、政府関係者は「地域の安定を脅かす深刻な行為」との声明を出した。一方、北側は「南側の不当な作業に抗議した」と主張し、双方の主張は鋭く対立している。

ワシントンでは緊急会議が開かれ、軍事的な対応を含む措置が検討されていると報じられた。アメリカ国内では兵士の犠牲に憤りの声が高まり、議会からも強硬な姿勢を求める意見が相次いでいる。

板門店での衝突は過去にも小規模なものがあったが、米兵の死者が出たのは極めて異例である。事件は朝鮮半島の不安定さを改めて浮き彫りにし、今後の南北関係と米朝関係に深刻な影響を及ぼすのは必至とみられる。

— RekisyNews 国際・安全保障面 【1976年】

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