【大和 8月18日】
本日、景行天皇は皇子・倭建命(やまとたけるのみこと)に対し、東国に勢力を張る蝦夷の討伐を命じられた。すでに西国の征伐で武勇を示した命に、新たな大任が与えられたもので、宮中では一同、厳粛な空気に包まれた。
勅命は朝堂において正式に下され、天皇は「国の東に従わぬ民あり。これを鎮め、天下の安寧をはかれ」との旨を伝えられた。倭建命は深々と拝し、「父の命に従い、必ずや平らげて参る」と誓ったという。側近の者は「命の気迫は一同を圧した」と語っている。
東国は山川に隔てられ、中央の支配が及びにくい地とされる。従来より朝廷の権威に従わぬ豪族や民が存在し、しばしば朝廷の支配を脅かしてきた。景行天皇はこの不安を払拭すべく、勇名高き皇子を派遣することで国土の統一を進めようとしている。
すでに出立に備えて軍勢の編成や兵糧の調達が進められており、命は数千の兵を率いて東国へ向かう見込みだ。途中、険しい山道や河川の横断が予想され、遠征は長期に及ぶとみられる。
宮中の一部には命の安否を案じる声もあるが、多くの臣下はその武勇に信を置き、凱旋を期待している。都の民の間でも「大和の威が東の地にも及ぶ」との期待が高まり、沿道では壮行の準備が進められている。
今回の勅命は、大和朝廷による国土統一の大きな節目となる可能性がある。倭建命が東国でいかなる戦いを繰り広げるのか、その行方に注目が集まっている。
— RekisyNews 政治・戦況面 【110年】