新元素ラジウムの単離成功 放射能研究に画期的成果

ピエールとマリ夫妻、研究所にて。1890年代に撮影。

【パリ 12月26日】

フランス科学アカデミーにおいて本日、物理学者マリ・キュリーが研究報告を行い、強い放射作用を示す新元素「ラジウム」を化学的に単離することに成功したと発表した。長期にわたる実験と精密な分離操作の成果であり、近年注目を集める放射現象の研究において、決定的な前進と受け止められている。

キュリーは、夫ピエール・キュリーとともにウラン鉱石ピッチブレンドの分析を続け、従来知られていなかった強力な放射能を示す成分の存在を突き止めてきた。今回の報告では、複雑な化学操作を重ねることで、微量ながらも純粋な形でラジウムを得ることに成功したと説明され、その放射作用が既知の物質を大きく上回る点が示された。

会場では、放射線が物質の内部構造を探る新たな手段となる可能性が指摘され、自然科学の理解を根底から広げる発見との評価が相次いだ。一方で、未知の作用を持つ物質であることから、取り扱いの安全性や応用の可否については、今後の慎重な研究が求められるとの意見も出された。

この成果により、放射現象は一時的な観測対象から、体系的な研究分野として確立されつつある。ラジウムの性質解明が進めば、物理学や化学のみならず、医学など周辺分野への影響も避けられないと見られ、キュリーの研究は国際的な注目を集めている。

— RekisyNews 科学面 【1898年】

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