【ハノイ 8月17日】
本日、ベトナム各地で住民による大規模な蜂起が始まり、植民地支配の打破と新政府樹立を目指す動きが一斉に広がった。首都ハノイでは数万人が街頭に集結し、政府庁舎や警察署を包囲。旗を掲げた民衆が「独立」を叫びながら進軍し、各所で武装集団が拠点の制圧に乗り出した。
今回の蜂起は、政権空白を突いて指導部が全国的な行動を呼びかけたことに応じたものとされる。日本の降伏により旧支配体制が揺らぎ、さらに仏当局の影響力も急速に低下する中で、民衆の不満と独立への熱望が一気に噴き出した形だ。
市内の証言によれば、若者を中心とした隊列が役所に押し入り、武器庫を接収。農村部でも地主から徴発した米や物資を分配するなど、行政機能の掌握を試みる動きが進んでいる。ある参加者は「いまこそ我ら自身の国を築く時だ」と声を張り上げた。
一方、治安部隊の一部は抵抗を試みたが、多くは士気が低く、住民の圧倒的な数に押されて拠点を放棄。衝突による死傷者の報もあるが、詳細は判明していない。
ハノイの街では、市場や通りに即席の演説台が設けられ、指導者たちが「民族の団結と独立」を訴えた。民衆の間には熱狂的な高揚感が広がる一方、「このまま内乱に陥るのでは」と警戒する声も聞かれる。
全国的な蜂起が続けば、政権の主導権は急速に塗り替えられる可能性が高く、今後数日の動向が注目される。
— RekisyNews 国際・社会面 【1945年】