【米マサチューセッツ州 12月24日】
米国マサチューセッツ州において本日、無線通信研究者のレジナルド・フェッセンデンが、世界で初めてとなる音声によるラジオ放送を実施した。これまで電信信号に限られていた無線通信に、人の声と音楽が乗せられたことで、通信技術は新たな段階へ踏み出した。
フェッセンデンは沿岸部の無線局から送信を行い、周辺海域を航行していた船舶の無線技士らが受信に成功したとされる。放送内容には聖書の朗読やバイオリン演奏、クリスマスにちなんだ挨拶が含まれており、受信者は突如聞こえてきた人の声に驚きを隠せなかったという。
この試みは、無線を「点と点を結ぶ通信手段」から、不特定多数へ情報を届ける放送媒体へと転換させる可能性を示したものと受け止められている。専門家の間では、将来的にニュースや音楽、娯楽を家庭で楽しむ時代が到来するとの見方も出ている。
まだ実験的段階にあるとはいえ、今回の放送成功は、通信と社会の関係を大きく変える契機になるとみられる。無線が人々の日常に入り込む日は、そう遠くないのかもしれない。
— RekisyNews 科学面 【1906年】
