巡洋戦艦「金剛」竣工 日本海軍、最新鋭艦を受領

 【ニューカッスル=横須賀 8月16日】

日本海軍が英国に発注していた巡洋戦艦「金剛」が本日、英北東部ニューカッスルの造船所で竣工した。排水量約2万7000トン、主砲14インチ(36センチ)8門を備える最新鋭艦で、東洋海軍の戦力増強に大きく寄与すると期待されている。

「金剛」はスコットランドのヴィッカース社で建造され、設計には当代随一の造艦技師ジョージ・サーソン氏が関わった。最大速力は27ノットに達し、世界でも屈指の速さと火力を兼ね備える。艦名は和歌山県の金剛山に由来し、日本の伝統と技術力を象徴するものとして命名された。

竣工式には英国海軍関係者、日本海軍の派遣将校、地元政財界の要人が出席。式典後には祝砲が放たれ、参加者は艦上を見学した。日本海軍代表は「本艦はわが国の海防力を飛躍的に高めるもの」と述べ、造船所関係者の尽力に感謝を示した。

建造地からの出港は近日中に予定されており、長期の回航を経て横須賀港に到着する見込み。到着後は海軍の試験航行や乗員訓練を行い、主力艦隊に編入される計画だ。

国内では、欧州列強と肩を並べる最新艦の就役を歓迎する声が広がる一方、巨額の建造費に対する議論もある。海軍当局は「国防上の投資であり、抑止力強化に不可欠」と強調している。

遠く英国の地で誕生した「金剛」は、間もなく日本の海にその姿を現す。

— RekisyNews 軍事・国際面 【1913年】

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