【リバプール 8月16日】
リバプールを拠点に活動する若手ロック・グループ「ザ・ビートルズ」が本日、結成以来ドラムを務めてきたピート・ベスト氏に代わり、新たにリンゴ・スター氏（本名リチャード・スターキー）を正式メンバーとして迎えると発表した。地元クラブや音楽仲間の間では大きな話題となっている。
ピート・ベスト氏は1960年のハンブルク遠征以来、力強い演奏と端正な容姿で人気を博してきたが、最近のレコーディング準備や音楽性の面で他メンバーとの意見の相違が表面化していたとされる。関係者によれば、決定はバンドの将来を見据えた「苦渋の選択」だったという。
新たに加入するリンゴ・スター氏は、これまで「ロリー・ストーム＆ザ・ハリケーンズ」のドラマーとして活躍し、軽快なスティックさばきと安定したリズム感に定評がある。すでに数回の合同演奏を行っており、メンバーとの相性も良好とされる。
バンドの中心メンバー、ジョン・レノン氏は「リンゴは音楽だけでなく人柄も素晴らしい。これからの活動に自信を持てる」とコメント。ポール・マッカートニー氏も「新しい一歩だ」と語った。
地元のキャヴァーン・クラブでは、リンゴ氏加入後初となる公演が予定されており、常連客の一人は「新しいビートルズの音がどう変わるか楽しみ」と期待を寄せた。
今回の交代は、バンドの音楽性に影響を与える可能性が高く、今後のレコーディングや全国的な人気拡大の行方が注目される。
— RekisyNews 音楽・文化面 【1962年】
