【パリ 12月20日】
フランス第二共和政の下で実施された大統領選挙に勝利したルイ・ナポレオン・ボナパルトが本日、大統領に正式就任した。本就任は、共和政成立後初めて国民の直接選挙によって選ばれた国家元首の誕生を意味し、政界・世論に大きな注目を集めている。
ルイ・ナポレオンは、かつて皇帝として欧州を席巻したナポレオン・ボナパルトの甥にあたり、その名声と象徴性が広範な支持を呼び起こした。社会不安と政治的混迷が続く中、秩序回復と安定を掲げた公約は、地方農民層や都市部の幅広い有権者に浸透したとみられる。
就任式は首都パリで厳粛に行われ、新大統領は演説で共和政の尊重と国民統合を強調した。一方で、強い行政府を志向する姿勢もにじませており、立法府との関係や権力運用の行方が今後の焦点となる。憲法により任期は4年と定められているが、政治体制の安定化をめぐる議論はなお続いている。
第二共和政は、王政復古と革命の間で揺れる近代フランスの転換点に立たされている。新大統領の手腕が、共和国の行方を左右するとの見方が広がる中、国内外はその動向を注視している。
— RekisyNews 政治面 【1848年】
