W3C、XHTML Basicを勧告──携帯端末向けウェブ標準を整備

【ケンブリッジ(米国) 12月19日】

本日、ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム(W3C)は、携帯端末や組み込み機器での利用を想定した文書記述仕様「XHTML Basic」を正式勧告として採択した。限られた処理能力や画面サイズの環境でも、相互運用性の高いウェブ表現を実現することを目的としている。

XHTML Basicは、既存のXHTML仕様から中核となる要素を抽出し、実装負荷を抑えた構成が特徴だ。これにより、携帯電話や携帯情報端末などでの対応が容易になり、機器やメーカーの違いを越えた共通の記述基盤が提供される。W3Cは、コンテンツ制作者と機器開発者双方の負担軽減を狙いとして挙げている。

また、本仕様は将来的な拡張を前提に設計されており、必要に応じてモジュールを追加できる柔軟性を備える。これにより、急速に進展するモバイル環境に対応しつつ、ウェブ標準の一貫性と持続性を保つことが可能になるとされる。

勧告の公表を受け、端末メーカーやサービス提供者の間では、対応計画の検討が進む見通しだ。XHTML Basicの採択は、デスクトップ中心だったウェブの世界が、携帯・組み込み分野へと本格的に広がる節目として、今後の展開に影響を与えるとみられている。

— RekisyNews 科学・技術面 【2000年】

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