【アルバカーキ 12月19日】
本日、アメリカの電子機器メーカーより、世界初の個人向けマイクロコンピュータとされる「Altair 8800」が発売された。専門機関や大企業に限られていた計算機の利用を、個人の手に委ねる可能性を秘めた製品として、技術者や愛好家の間で大きな注目を集めている。
Altair 8800は、マイクロプロセッサを中核に据えた構成を採り、組み立て式のキットとして提供される点が特徴だ。操作は前面パネルのスイッチとランプによって行われ、専門知識を必要とするものの、個人が自ら所有し、用途に応じて改良できる計算機という新しい概念を示した。雑誌での紹介をきっかけに注文が相次いでいるという。
従来、計算機は高価かつ大型で、研究機関や政府、企業に限られた存在だった。Altair 8800の登場は、趣味や学習の領域に計算機を持ち込む契機となり、情報処理の担い手が一部の専門家から広範な個人へと広がる可能性を示唆している。
関係者の間では、この製品を起点に周辺機器やソフトウェアの開発が進み、新たな産業が生まれるとの期待も高まっている。Altair 8800の発売は、計算機技術の歴史において、個人利用の扉を開く出来事として記憶されることになりそうだ。
— RekisyNews 科学・技術面 【1974年】
