【マンチェスター 8月16日】
本日正午過ぎ、マンチェスター郊外セント・ピーターズ・フィールドで行われていた大規模な政治集会が、治安部隊の騎兵突入によって混乱となり、多数の死傷者を出した。現地からの報告によれば、これまでに11人の死亡が確認され、600人以上が負傷したという。
集会は議会改革と選挙権拡大を求めるもので、周辺の工業都市や農村から労働者や家族が集まり、参加者は6万人を超えたとされる。主催者は非暴力を掲げ、歌や演説で平和的に要求を訴えていたが、治安判事団は事前に逮捕命令を準備していた。
午後1時頃、演壇に立った指導者の身柄を確保するため、騎兵部隊が人垣を突き破って突入。逃げ惑う群衆の中で剣や馬の蹄による負傷が相次ぎ、女性や子どもも巻き込まれた。目撃者の一人は「笑顔で手を振っていた子どもが突如倒れ、人々の悲鳴が響いた」と語る。
市当局は「秩序維持のためのやむを得ない行動」と説明しているが、地元紙や改革派議員は過剰な武力行使を強く批判。近隣の町では抗議の集会や嘆願運動の動きが広がっている。
今回の事件は、工業地帯の労働者が政治的権利を求める声の高まりを背景に発生。経済不況と失業の増加が市民の不満を募らせ、改革要求が一層強まる可能性がある。
セント・ピーターズ・フィールドに残る血痕と散乱した旗は、この日が市民の記憶に深く刻まれる出来事となったことを物語っている。
— RekisyNews 国際・社会面 【1819年】
